凶という響きが持つ魅力
みんな縁起が良いことばかり大好きな振りをして、
実は縁起が悪いことも無自覚に大好きで、
常に意識してしまうようですね。
『私、自分にとって良い占いだけ信じるようにしてる』
とかなんとか言っておきながら、
大吉のお神籤を引いた思い出はすぐ忘れちゃう。
それだけなら問題なし。
そのくせ大凶を引いたことは忘れない人が中には一定数いて。
真面目で平凡で一般的な普通の人をつまらないと感じ、
ロクデナシやヤカラや不良や乱暴者に惹かれちゃう人が、
どこのフィールドにも必ず一定数いることからも分かる通り、
老若男女を魅了する何かが凶という響きにはあるらしい。
口では言う。
ロクデナシ(凶)なんて嫌い。
真面目(吉)なのが一番。
でも惹かれて忘れられなくて付き合って、
『やっぱりロクデナシは嫌だ』
『真面目が良いって自分でも分かってる』
『でもどうしても離れられない』
ってなって泥沼にハマっていくその様は、
そういうのを全部引っ括めて、凶というのだと思います。